イギリスの美容師の殆どは、アジア人の黒い髪をうまく扱えません。
そして驚くのは、カットの下手さだけではありません。
雑誌の切り抜き?持って行く意味なし!
言葉の問題もあるし、日本の美容師さんに聞いて、"イギリス人の美容師は下手"とか"パーマなんてもってのほか"といった予備知識もあったので、うまくイメージが伝わるように、雑誌の切り抜きを持って行きました。
「こんな感じでお願いします」
と見せると、ほんの一瞬チラリと見て「OK!」と言われました。「・・・ほんとに?」と思っていたら、案の定、ろくにブロック分けもせずに大まかに裾だけ切って、ものの5分で
「これでいい?」
と聞かれました。(もちろん、雑誌の切抜きとは似ても似つかない)
仕方ないので、雑誌のイメージは諦めて、
「髪が多いからもっと梳いて軽くしてほしいんだけど・・・」
と言うと、「レイヤーね、OK!」と言って、超適当に、ほんの上っ面だけすくってレイヤーを入れ、ものの5分で再び、
「これでいい?」
と言われてしまいました。「も・・もう終わりですか?!」・・・とは言えず、
「前髪も梳いてほしいんだけど・・・」
と言ってみましたが、それもまたほんの一瞬で終わってしまいました。
そして「チビまるこ」
結局全然梳いてくれなかったので、出来上がりはといえば、典型的なボブというか、
そう、それはまさしくチビまるこ(怒)
気に入らない。全然気に入らない・・・。
ぼったくり
ちなみにその美容室、日本の美容師さんに勧められた「TONY&GUY」という有名チェーン店で、確かに、中にいる美容師さんやスタッフはかっこい髪型をしていました。でも、技術は最低。というよりも、ブロンドのやわらかい髪は、ごまかしもきくし、うまくやれるのかもしれないけど、
「さわったことのない日本人の髪はうまく切れない」
と言った方が正しいかもしれません。
更に驚いたのは、お会計。値段は最初に確認しなかったのですが、カットだけだし、せいぜい4〜5千円だろうと思っていたら、とんでもない。
「35ポンドです。」
「!?」
"35ポンドって、まさかね・・・(笑)聞き間違いだよ。あーびっくりした。"
「で、いくら?」
「35ポンドです。」
「・・・・・・!?」
だって、約7千円?カットだけなのに?(怒)
しかも「チビまるこ」なのに?(怒)
カッチーーン(激怒)
貴重なあたしのお小遣いが・・・。ただでさえ「チビまるこ」にショックを受けているのに、それに7千円とは、ダブルパンチ。もうTONY&GUYなんて大ッ嫌い!
それでも懲りずに再挑戦?
イギリス人の友達で黒髪のオシャレな人がいるので、どこで髪を切っているのか聞いてみました。勇気を出して、もう一度、別のイギリス人美容室に挑戦してみることに・・・。今回はダンナも一緒。(道連れ。これぞ夫婦。)
まず、髪を超適当に、且つぶっきらぼうに洗います。日本だと、美容室で髪を洗ってもらうのはとっても気持ちよくて楽しみなのですが、「かゆいところありませんかぁ?」なんていう言葉も、もちろんありません。
そしていよいよカットに・・・。超適当にタオルドライして、ほぼびしょ濡れの状態で切り始めます。
”うそ・・・”
だって、水がポツポツ滴り落ちて、顔を伝って、かゆいし、寒い。(あれは冬でした・・・)
やっぱりダメ
しばらくして、まだ髪はびしょびしょの状態で
「これでいい?」
と言われました。これでいいかって?
乾かしてくれないと分からないってば・・・。
「・・・・・・・」
困っていると、「あはは。これじゃ分からないわよね?もうちょっと梳く?」と言ってきました。
"分かっているなら聞く前にそうしてくれませんか。っていうか、ほんとにもう、頭が冷えちゃって寒いんだから。"
結局、また思うように梳いてもらえないまま終ってしまいました。しかも、髪は濡れたまま。
ダンナと2人、木枯らし吹く町を、髪が濡れたまま、小走りで車に向かい、暖房をつけました。でも、エンジンが温まっていないから、風が冷たくて余計に寒い・・・。本当に風邪を引きそうでした。しばらくして暖房が効いてくると、暖房の風量をドライヤー代わりに"最強"にして、2人して髪を乾かしながら家に帰りました。
傍から見たらかなりおかしな中国人夫婦(日本人は殆どいないから)だったに違いないでしょう・・・。
やっぱり日系美容室!
すっかりイギリス人美容師に懲りた私は、髪を伸ばすことを決心しました。短い方が好きなのですが、仕方ありません。。。三十路近い年齢で"チビまるこ"になるよりはまし。
でも、その前に、やっぱりこの多い髪を梳いてもらいたい・・・。そこで、インターネットでイギリスの日系美容室を探すことにしました。
できればマメに通える範囲(レスターに住んでいるのでバーミンガムとかノッティンガムあたり)に・・・と思ったのですが、やっぱり見つかりません。でも、ロンドンには20店舗程あることがわかり、往復の電車賃(約4,500円)を考えるとバカバカしいと思われるかもしれませんが、行ってきました。
そしてようやく大満足!!やっぱり日本人の腕は素晴らしい。全然違います。思わずロンドンの街を歩きながら一人でニヤニヤしてしまいそうでした。
聞いたところでは、日本人に限らず、イタリア人やその他の人種の人も、日本人美容師に髪を切ってもらいたくて日系美容室にわざわざやってくるのだそうです。
*** わかったこと ***
日本人には日本人美容師が一番。